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犬の肉球のトラブルとワセリン
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    皆さんは、犬の肉球のケアをどのようにされていますか?
    肉球なんて、気にしたこともなかったと言う方も多いかもしれません。

    一度よく見てみてください。

    肉球の皮膚は乾燥して固くなっているかもしれません。
    気づかないうちに赤く炎症を起こしているかもしれません。

    動物病院の診察台にのってるとき、台の上がぬれているところをみたことがありますか?
    それは肉球から出た汗です。

    肉球は運動するときに滑り止めやクッションの役割を果たすほかに、汗をかくこともできます。
    実はいろいろな役割を果たしている肉球とそのケアについて、解説します。

    肉球の構造と働き


    前足の手根部、後足の足根部にあり、表面はザラザラして毛は生えていません。
    表面の角質層が厚く発達し、柔らかくて弾力があり、内部は弾性線維と脂肪からできています。
    地面を力強く踏みしめる犬の習性は、肉球の皮膚を厚く強くしました。

    犬の立ちかたは、人間と違ってかかとをつけないつま先立ちですので、肉球がストッパーとクッションになっています。
    さらに肉球が足音を消して獲物に近づくことを可能にしています。
    犬の運動にとって、肉球が高性能な靴底のような役割を果たしていると考えていいでしょう。

    また肉球には汗腺があり汗をかくこともできます。(犬は肉球と鼻先にしか汗腺がありません。)

    肉球のトラブルの原因

    肉球は常に体重を支え、地面についているため、病気になっていることが少なくありませんが、なかなか気づきにくいところです。肉球にはさまざまな原因によるトラブルが起こります。

    • ストレスなどから執拗に舐めることによっておこる舐性皮膚炎
    • 冬場などの季節による乾燥
    • アレルギーによる赤み、かゆみ
    • 拭きすぎ、洗いすぎ
    • 梅雨時期の蒸れによる赤み、かゆみ
    • 夏場のアスファルトの高温やけど
    • 冬の床暖房による低温やけど
    • ジステンパー感染症によるハードパットという肉球が固くなる症状

     

    肉球の治療

    肉球は、常に地面に着いていて、その表面は固く血管も少ないので、病気になると治りにくい特徴があります。
    薬を塗ったり包帯を巻いたり靴下を履かせたりということが必要な場合、犬にとって違和感が大きく、気にしてうまくいかないことも少なくありません。
    そのため治るのに時間はかかりますが、根気よく治療をしていかなければなりません。

    アレルギーや舐性皮膚炎の場合は、まず抗生物質の飲み薬やかゆみ止めのクリームなどで治療をします。
    炎症が落ち着いてきた皮膚には、皮膚表面の保護のために保湿クリーム等を使います。

    この時、乾燥を防ぎしっかり保湿するためにワセリンが使われることが多いです。
    ワセリンは、日常のお手入れにも使えて比較的安価で、舐めても安心な成分です。

    犬とワセリン

    ワセリンは石油から精製された保湿性の高い化粧用油で、肌に刺激の強いミネラル成分を除去して作られています。
    赤ちゃんや肌の弱い人用に病院で処方されることも多く、舐めても大丈夫な刺激の少ない成分で無臭ですので、犬にも使いやすいでしょう。

    ただし100%問題が起きないわけではないので、初めて使用する場合は注意して見てあげてください。
    また薬用成分は含まれませんので、病気の症状があるときにはワセリンだけでは治りませんので、獣医師に相談してください。

    ワセリンはいろいろな種類が売られていますが、白色ワセリンが精製度が高く不純物が少ないので安心です。
    ワセリンを塗ってから1時間ほどは、できるだけ気をそらしたりお散歩に出たりして浸透するのを待ってあげると効果的です。

    可能であれば、ラップなどでパックしてあげるとなおいいでしょう。
    飼い主さんと一緒に使えるところも魅力的ですね。

    犬のお世話と同時に自分にも効果があるので優れものです。

    さいごに

    ワセリンは、犬と人と一緒に使えるケア用品ですので上手に取り入れて、マッサージやスキンシップとして活用できますね。
    普段なかなか見ることのない愛犬の肉球ですが、大切な役割がありますので異常がないかチェックする習慣を持ちましょう。

    まずはワセリンを使って、肉球のマッサージから始めてみましょう。
     

皆さんは、犬の肉球のケアをどのようにされていますか?
肉球なんて、気にしたこともなかったと言う方も多いかもしれません。

一度よく見てみてください。

肉球の皮膚は乾燥して固くなっているかもしれません。
気づかないうちに赤く炎症を起こしているかもしれません。

動物病院の診察台にのってるとき、台の上がぬれているところをみたことがありますか?
それは肉球から出た汗です。

肉球は運動するときに滑り止めやクッションの役割を果たすほかに、汗をかくこともできます。
実はいろいろな役割を果たしている肉球とそのケアについて、解説します。

肉球の構造と働き


前足の手根部、後足の足根部にあり、表面はザラザラして毛は生えていません。
表面の角質層が厚く発達し、柔らかくて弾力があり、内部は弾性線維と脂肪からできています。
地面を力強く踏みしめる犬の習性は、肉球の皮膚を厚く強くしました。

犬の立ちかたは、人間と違ってかかとをつけないつま先立ちですので、肉球がストッパーとクッションになっています。
さらに肉球が足音を消して獲物に近づくことを可能にしています。
犬の運動にとって、肉球が高性能な靴底のような役割を果たしていると考えていいでしょう。

また肉球には汗腺があり汗をかくこともできます。(犬は肉球と鼻先にしか汗腺がありません。)

肉球のトラブルの原因

肉球は常に体重を支え、地面についているため、病気になっていることが少なくありませんが、なかなか気づきにくいところです。肉球にはさまざまな原因によるトラブルが起こります。

  • ストレスなどから執拗に舐めることによっておこる舐性皮膚炎
  • 冬場などの季節による乾燥
  • アレルギーによる赤み、かゆみ
  • 拭きすぎ、洗いすぎ
  • 梅雨時期の蒸れによる赤み、かゆみ
  • 夏場のアスファルトの高温やけど
  • 冬の床暖房による低温やけど
  • ジステンパー感染症によるハードパットという肉球が固くなる症状

 

肉球の治療

肉球は、常に地面に着いていて、その表面は固く血管も少ないので、病気になると治りにくい特徴があります。
薬を塗ったり包帯を巻いたり靴下を履かせたりということが必要な場合、犬にとって違和感が大きく、気にしてうまくいかないことも少なくありません。
そのため治るのに時間はかかりますが、根気よく治療をしていかなければなりません。

アレルギーや舐性皮膚炎の場合は、まず抗生物質の飲み薬やかゆみ止めのクリームなどで治療をします。
炎症が落ち着いてきた皮膚には、皮膚表面の保護のために保湿クリーム等を使います。

この時、乾燥を防ぎしっかり保湿するためにワセリンが使われることが多いです。
ワセリンは、日常のお手入れにも使えて比較的安価で、舐めても安心な成分です。

犬とワセリン

ワセリンは石油から精製された保湿性の高い化粧用油で、肌に刺激の強いミネラル成分を除去して作られています。
赤ちゃんや肌の弱い人用に病院で処方されることも多く、舐めても大丈夫な刺激の少ない成分で無臭ですので、犬にも使いやすいでしょう。

ただし100%問題が起きないわけではないので、初めて使用する場合は注意して見てあげてください。
また薬用成分は含まれませんので、病気の症状があるときにはワセリンだけでは治りませんので、獣医師に相談してください。

ワセリンはいろいろな種類が売られていますが、白色ワセリンが精製度が高く不純物が少ないので安心です。
ワセリンを塗ってから1時間ほどは、できるだけ気をそらしたりお散歩に出たりして浸透するのを待ってあげると効果的です。

可能であれば、ラップなどでパックしてあげるとなおいいでしょう。
飼い主さんと一緒に使えるところも魅力的ですね。

犬のお世話と同時に自分にも効果があるので優れものです。

さいごに

ワセリンは、犬と人と一緒に使えるケア用品ですので上手に取り入れて、マッサージやスキンシップとして活用できますね。
普段なかなか見ることのない愛犬の肉球ですが、大切な役割がありますので異常がないかチェックする習慣を持ちましょう。

まずはワセリンを使って、肉球のマッサージから始めてみましょう。
 

著作者プロフィール

獣医師 瀬戸口公代

日本大学生物資源科学部獣医学科卒業 人と動物が、共に健康で長生きできるお手伝いをさせてもらいたい。 今の自分ができることはなにか、できることから始めていくことをモットーに、頑張っています。 自身はもともと猫派でしたが、最近飼い始めた愛犬に、改めて、犬のかわいさを見せつけられています。

2020年08月19日

獣医師 瀬戸口公代

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