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猫の症状にあわせたご飯の選びかた~病気にかかっている場合~
  • 猫の症状にあわせたご飯の選びかた~病気にかかっている場合~

    2020年06月15日

    獣医師 飯塚美幸

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    猫ちゃんが病気の場合、食事は治療のために重要な役割を果たすことになります。
    獣医師の指導のもとで適切なフードを選びましょう。

    キャットフード

    尿路結石症

    症状

    膀胱~尿道に石ができる。あるいは石の初期段階である結晶がおしっこ中に作られてしまう病気を尿路結石症といいます。
    尿の酸性度(pH)がアルカリ性や酸性に傾きすぎてしまうことが原因です。

    ふさわしい食事

    尿の酸性度を中性に保つため、専用のフードを食べ続けることが重要になります。
    結晶や結石ができる根本原因は体質にあるため、完璧に治療することはできません。

    なので、再発をさせないためにどれだけ食事の管理ができているかが重要になってきます。

    便秘

    症状

    高齢の猫や太り気味の猫におこりやすい病気です。

    ふさわしい食事

    繊維質の多いフード、特に可溶性繊維を多く含むフードが勧められます。
    可溶性繊維は腸内細菌の働きを助けるとともに、便を軟らかくし、出しやすくする効果があります。

    繊維質を多く摂取する場合はなるべく水分も多くとりましょう。
    缶詰などのウェットタイプのフードを一緒に食べさせるのもお勧めです。

    皮膚トラブル、アレルギー

    症状

    定期的に皮膚に湿疹やかゆみが出る、耳の中が汚れやすいなど。
    皮膚トラブルが多い体質の猫は、摂取したたんぱく質を分解する過程で刺激を受けている可能性があります。

    ふさわしい食事

    たんぱく質の分解が進んでいる低アレルギーフード(低分子フード)がおすすめ。
    また、食事性のアレルギーがある場合、人間と同じようにアレルゲン物質(肉・魚・小麦など)を避けたフードを選ぶ必要があります。
    小麦アレルギーであればポテトが糖質のメインになるフード、肉アレルギーであればサーモンやエンドウマメなどがたんぱく質のメインになるフードを選ぶことになります。
    アレルギーと診断された場合は、必ず獣医師の指導の下でフードの変更を行いましょう。

    下痢をしやすい

    症状

    脂肪分が多いフードを食べたときなど、消化に負担が大きくかかり下痢を引きおこすことがあります。
    また皮膚トラブルのようにたんぱく質の分解過程での刺激が消化の負担になっていることもあります。

    ふさわしい食事

    低脂肪のフードを選びましょう。
    また、たんぱく質が原因の場合は低アレルギーフード(低分子フード)を食べさせるのも良いでしょう。

    腎臓・心臓病

    症状

    腎臓や心臓の機能が落ちた状態。特に高齢の猫は腎臓病にかかる割合が多くなります。

    ふさわしい食事

    低塩分・低たんぱく質のフードを選び、腎臓や心臓の負担を減らすようにしましょう。
    また、なるべく水分をとるためにウェットフードを一緒に食べさせるのもおすすめです。

    避妊・去勢手術の後

    症状

    避妊・去勢手術をするとホルモンバランスの変化から手術をしていない猫に比べて太りやすくなります。

    ふさわしい食事

    特に病気はなくても、体重管理のために不妊手術後からシニア期まで食べられる専用のフードを与えることをおすすめします。

    さいごに

    食事選びは体を作る基本で、とても大切なことです。何を与えるかは飼い主が選ぶこととなり、猫ちゃん自身は選ぶことができません。
    尿路結石症のように食事が治療となる病気もありますので、きちんとした知識のもとフードを選ぶようにしましょう。

猫ちゃんが病気の場合、食事は治療のために重要な役割を果たすことになります。
獣医師の指導のもとで適切なフードを選びましょう。

キャットフード

尿路結石症

症状

膀胱~尿道に石ができる。あるいは石の初期段階である結晶がおしっこ中に作られてしまう病気を尿路結石症といいます。
尿の酸性度(pH)がアルカリ性や酸性に傾きすぎてしまうことが原因です。

ふさわしい食事

尿の酸性度を中性に保つため、専用のフードを食べ続けることが重要になります。
結晶や結石ができる根本原因は体質にあるため、完璧に治療することはできません。

なので、再発をさせないためにどれだけ食事の管理ができているかが重要になってきます。

便秘

症状

高齢の猫や太り気味の猫におこりやすい病気です。

ふさわしい食事

繊維質の多いフード、特に可溶性繊維を多く含むフードが勧められます。
可溶性繊維は腸内細菌の働きを助けるとともに、便を軟らかくし、出しやすくする効果があります。

繊維質を多く摂取する場合はなるべく水分も多くとりましょう。
缶詰などのウェットタイプのフードを一緒に食べさせるのもお勧めです。

皮膚トラブル、アレルギー

症状

定期的に皮膚に湿疹やかゆみが出る、耳の中が汚れやすいなど。
皮膚トラブルが多い体質の猫は、摂取したたんぱく質を分解する過程で刺激を受けている可能性があります。

ふさわしい食事

たんぱく質の分解が進んでいる低アレルギーフード(低分子フード)がおすすめ。
また、食事性のアレルギーがある場合、人間と同じようにアレルゲン物質(肉・魚・小麦など)を避けたフードを選ぶ必要があります。
小麦アレルギーであればポテトが糖質のメインになるフード、肉アレルギーであればサーモンやエンドウマメなどがたんぱく質のメインになるフードを選ぶことになります。
アレルギーと診断された場合は、必ず獣医師の指導の下でフードの変更を行いましょう。

下痢をしやすい

症状

脂肪分が多いフードを食べたときなど、消化に負担が大きくかかり下痢を引きおこすことがあります。
また皮膚トラブルのようにたんぱく質の分解過程での刺激が消化の負担になっていることもあります。

ふさわしい食事

低脂肪のフードを選びましょう。
また、たんぱく質が原因の場合は低アレルギーフード(低分子フード)を食べさせるのも良いでしょう。

腎臓・心臓病

症状

腎臓や心臓の機能が落ちた状態。特に高齢の猫は腎臓病にかかる割合が多くなります。

ふさわしい食事

低塩分・低たんぱく質のフードを選び、腎臓や心臓の負担を減らすようにしましょう。
また、なるべく水分をとるためにウェットフードを一緒に食べさせるのもおすすめです。

避妊・去勢手術の後

症状

避妊・去勢手術をするとホルモンバランスの変化から手術をしていない猫に比べて太りやすくなります。

ふさわしい食事

特に病気はなくても、体重管理のために不妊手術後からシニア期まで食べられる専用のフードを与えることをおすすめします。

さいごに

食事選びは体を作る基本で、とても大切なことです。何を与えるかは飼い主が選ぶこととなり、猫ちゃん自身は選ぶことができません。
尿路結石症のように食事が治療となる病気もありますので、きちんとした知識のもとフードを選ぶようにしましょう。

著作者プロフィール

獣医師 飯塚美幸

麻布大学獣医学部獣医学科卒業。 現在は埼玉県三郷市の動物病院にパート勤務しています。 動物病院での仕事の際には、飼い主様の気持ちに寄り添って治療を進めていけるよう心がけています。 同じ志で、記事もお伝えしたい思っております。 猫好きな男児2人の子育て中です。

2020年06月15日

獣医師 飯塚美幸

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